7月14日、「倉敷高齢者・障がい者権利擁護ネットワーク懇談会」(略:倉敷ネット懇)が主催する権利擁護支援センターの研修に参加しました。研修先は先進地の芦屋市、西宮市です。
倉敷ネット懇は、高齢者、障がい者の権利擁護に取り組まれている弁護士、社会福祉士、行政書士、施設の職員さんなどで構成されています。今回、行政書士をしている友人に誘われての参加でした。
芦屋市、西宮市の両市はいち早く権利擁護支援センターを設置した自治体です。倉敷市でも設置が望まれています。
権利擁護センターって何?と思われている方は多いと思います。西宮市で研修を受けた資料から紹介します。
○権利擁護支援センターの役割は?
①福祉サービスを必要とする人など、自分自身で主体的な選択や決定をすることが困難な状況にある人、また、権利侵害行為や搾取から自分自身を守ることが困難な状況にある人(十分に権利行使ができない状況におかれている人)に対して、支援していくこと。
②また、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるように、関係機関とのネットワークをいかしながら、必要なサポートをきちんと受けられるよう共に支援していくこと。
○権利擁護センターはどんなことをするの?
①専門相談
②成年後見制度の利用支援等
③ネットワークの推進
権利擁護支援センターの必要性は高齢者、障がい者自身からの要求、そして支援されている方からの切実な要求なのです。
倉敷ネット懇のみなさんからも同様の声が寄せられていますが、西宮市の資料から再び紹介いたします。主な相談内容、現場の声です。
①虐待:母親、息子二人の三人暮らし。同級生からの金銭搾取により次男(療育手帳取得)が母親に対して金銭の要求。受け入れられなかったら母親への暴力及び親族への金銭の要求。
②触法問題:高齢の父親と知的障害の息子の二人暮らし。息子は、これまで実刑で刑務所に収監されていたが、自宅に戻ってきた。この間、健康状態の悪い父親からお金を搾取しようとしたり、息子の生活面や行動の改善が見られず、現在父親の支援者も含め関係機関がかかわっている。
③成年後見制度:聴覚言語障害のある方が長年働いていた会社に預金の管理をしてもらっているのだが、ほかの親族がその預金を勝手に引き出そうとしたことがあった。また、保険の外交員に契約をさせられそうになった。
④福祉サービスの利用:認知症の症状が出てきている母を、週末のみ3人の娘が交代で介護している。介護保険サービスを使いながらなんとか一人暮らしをしているが、サービスを増やすことを一度了解しても利用間際になって断る、また医師の診察を受診するも「惚け扱いされた」と医師を罵倒するなど対応に困っている。
⑤介護問題:認知症の母親を介護しており、わかっているがお金を盗った等妄想が出ているのでストレスがたまる。
二月議会で、私は、権利擁護の問題を取り上げ、成年後見制度など権利擁護活動に対する市の基本的な姿勢について質しました。当局は「住みなれた地域の中で高齢者や障がい者が安心して過ごせることができる体制づくりを進めてまいりたい」と答えています。
9月議会では、さらに突っ込んでこの問題について取り上げたいと思っています。
挙がっている例を読むと、権利を侵害する側も権利を侵害されたり、社会的弱者となっています。
専門的な知見によって第三者が助言・仲立ちし、関係機関・人を組織し、社会的な資源を活用して、本来の意味での福祉の実現を促してもらいたいです。
「公的配慮によって社会の成員が等しく受けることのできる安定した生活環境。「公共―」「―事業」」
福祉 とは - コトバンク
http://kotobank.jp/word/福祉
投稿情報: 名無し | 2011年7 月16日 (土) 09:31