2013年12月議会討論原稿 2013.12.20
日本共産党倉敷市議会議員団を代表して、本日議決に付された56議案の内、10議案について反対の討論を行ないます。
先ず、「議案第134号消費税法等の改正に伴う各種使用料等の改定等に関する条例の制定について」、及び「議案第139号倉敷市水道条例の改正について」、並びに「議案第140号倉敷市立児島市民病院条例の改正について」の各議案については反対いたします。
反対の主な理由は、来年4月実施予定の消費税8%への増税を前提にした条例制定、及び改正だからであります。今、世論調査を見ても、「景気回復を実感しない」の声は7割を超えています。それは働く人の賃金が減り続けているからにほかなりません。1997年をピークに、労働者の平均年収は70万円も減り、安倍内閣になっても勤労統計調査10月の速報値によると、前年同月比0.1%減と17カ月連続して減り続けています。こういう時に消費税を5%から8%に増税し、国民の所得を8兆円も奪ったら、暮らしにも景気にも大打撃となります。わが党は消費税の8%への増税には断固反対です。
一方、自治体財政も、自公政権の悪政により全体として深刻な状況に追い込まれている側面はありますが、公共料金に安易に転嫁すべきではありません。さらに言えば、自治体の一般会計で処理されている公共料金分については、消費税法第60条6項により消費税を納入しなくてもよいことになっており、転嫁しないことで自治体財政に実害は出ないはずです。鳥取県日南町では、町長が「消費税のアップは地域経済にも影響がある。便乗値上げにならないか」として各種公共料金に上乗せせず、据え置くことを表明しています。
次に、「議案第112号平成24年度倉敷市一般会計歳入歳出決算の認定について」は次の理由により反対いたします。
第3款民生費の内、人権政策費、人権啓発活動事業費補助金480万円について。2002年3月同和対策事業特別措置法は終了をしています。同和問題だけを特別扱いにし、特定の運動団体への補助金は公正公平、清潔な市政の面から問題です。
第4款衛生費の内、焼却場管理費、資源循環型廃棄物処理施設運営事業19億4201万9588円についてです。産業廃棄物処理を倉敷市の一般廃棄物と混合処理するPFIごみ処理事業は、自治体の責任を放棄するものです。また、民間の営利事業ということで情報公開が保障されていません。さらに、ごみ減量化の思想に逆行するものとなっています。
第7款商工費の内、企業誘致推進事業、競争力強化促進奨励金2億円についてです。この間、国においても地方においても競争力強化の名のもとで大企業優遇政策がとられてきました。大企業には空前の資金が滞留し、内部留保は270兆円にも達しています。これ以上の優遇策の必要はなく、競争力強化思想の転換が必要です。今こそ中小企業、商工業の支援で地域経済の活性化こそ求められています。
第8款土木費の内、鉄道高架事業費 倉敷駅付近連続立体交差事業費9,288,093円についてです。今回の支出は、岡山県が実施した調査費の一部負担で、その内容は、費用対効果B/Cが0.85との結果が出た費用便益分析業務他であります。言うまでもなく、費用対効果が得られない事業には税金は使わないことが、税金の使い方のルールです。自治体の財政規律を犯すことにもつながる連続立体交差事業からは撤退するべきです。
以上により、「議案第112号平成24年度倉敷市一般会計歳入歳出決算の認定について」は認めることはできません。
次に、「議案第118号平成24年度倉敷市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について」は、第5期の事業計画実施にあたり、基準額の所得階層の保険料を月額730円、年額で8,760円を引き上げたものであり、認めることはできません。
次に、「議案第120号平成24年度倉敷市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定について」です。後期高齢者医療制度の改定により保険料を平均1,326円引き上げたものであり、介護保険料と合わせると1万円を超える負担増となりました。よって認めることはできません。
次に、「議案第122号平成24年度倉敷市水道事業会計決算の認定について」です。
水道料金滞納整理業務は、本来自治体の職員によって行われるべきものであり民間に委託するべきではありません。水道料金等滞納整理業務委託料71,203,048円(税抜き)は認めることはできません。よって、反対いたします。「議案第110号平成24年度倉敷市水道事業会計利益の処分について」は、議案122号決算認定を前提の処分であり認めることはできません。
次に、「議案第123号平成24年度倉敷市児島モーターボート競争事業会計決算の認定について」ですが、特別損失5千万円については、平成4年に(財)岡山県暴力追放運動推進センター設立時に出資金として拠出したものを出えん金として更正し、特別損失として費用化したものです。20年にわたって放置してきた責任は重大であり認めることはできません。よって、反対いたします。「議案第111号平成24年度倉敷市児島モーターボート競争事業会計未処分利益剰余金の処分について」は、議案第123号決算認定を前提の処分であり認められません。
最後に、安倍政権が暴走しています。先の臨時国会で、国民多くの反対の声を無視して、国民の目と耳と口をふさいでしまう稀大の悪法「秘密保護法」の強行採決を行ない、さらに医療・介護・年金など社会保障の全分野にわたり、給付の削減と負担の増大を国民に求める社会保障の大改悪を行なおうとしています。
この政治状況の下、市民の命と暮らしを守る倉敷市政の在り方が問われます。そのためにも伊東市長には全力投球で頑張ってもらいたい。しかしながら、今議会での議案、議論を通じても明らかになったことは、費用対効果が得られない鉄道高架事業への固執、消費税増税の公共料金等への転嫁、あるいは、公立幼稚園、保育園の統廃合計画の推進など住民の願いとは逆方向に向いているのではないでしょうか。
地方自治体の仕事は、住民の生命、財産を守り、福祉の向上に努めることにあります。市民が求めているのは鉄道高架事業でなく、生活に根差した医療や介護など福祉の充実、子育てや教育環境の充実であり、雇用の確保や地域産業の振興です。日本共産党市議団はこの声を大切にする市政実現のため、市民の皆さんとご一緒に取り組んでいきたいと思っています。最後にその決意を申し上げて討論といたします。
以上。
あけましておめでとうございます。
<反動>勢力にはその分、隙(すき)も生まれていると思いますが、強引な手法で権利や生活が脅かされている中、市議団の尖頭に立って活躍されていて、頼もしい限りです。
今年も、我々住民・庶民のために奮闘・活躍をお願い致します。
投稿情報: 七誌 | 2014年1 月 1日 (水) 08:07