4.保育行政について
①待機児対策について
入園児数が毎年増え続け、入りたくても入れない待機児や未決定児が増えている。昨年10月1日現在で、保育園の待機児童は50人、未決定児童は532人と聞いている。待機児ゼロに向けての対策は、保育園の新設、増設以外にないと考えるが、待機児ゼロに向けてスピード感を持った抜本的な対策を求める。
▼保健福祉局長(黒江庄平) 待機児童等の解消のため、新たに2カ所の保育園を創設することとし、現在、運営法人において施設整備を進めており、平成25年秋までに順次開園できる見込みである。また、平成27年度から子ども・子育て支援新制度が開始される予定だが、国は新制度の開始に先立ち、保育緊急確保事業を実施するとしており、こうした国の事業を活用した施設整備も考えられる。
②子ども・子育て支援新制度について
昨年8月10日、民自公3党による多数の暴挙によって、子ども・子育て支援法など子ども・子育て関連3法、消費税増税法などを含む社会保障・税一体改革関連8法案が可決成立した。これらは、社会保障・税一体改革とは名ばかりで、消費税を増税し、社会保障は切り下げるという、国民に負担を強いる問題ある法律であり、子ども・子育て支援新制度は、この子ども・子育て関連3法に基づく制度で、2015年度に本格スタートする。
審議の過程で、関連法案の撤回を求める関係者の粘り強い運動があり、幾つかの運動の成果が得られた。第1に、児童福祉法24条の市町村の保育実施義務を残し、今後も市町村の責任による認可保育所での保育が基本であるとの国会答弁が得られたこと。第2に、企業参入に一定の歯止めがかけられ、学校教育には営利企業の参入を認めないという原則を守ったことなどである。しかしながら、多くの問題点を抱えている。
①市町村責任による保育所保育とその他施設との直接契約制度が併存し、市町村の責任が曖昧に。
②市町村の支給認定による保育時間の上限設定で、必要な保育が受けられなくなる恐れが。
③保育施設、事業の多元化により保育基準、保育条件に格差が持ち込まれる。
④認定を超えた利用は自己負担になるなど、保護者の利用料負担がふえる。
⑤保育と幼児教育が区分をされ、保育は時間預かりの託児的な位置づけになる。
⑥保育所施設整備費補助金の廃止。
⑦企業参入が促進をされ、公費が保育費用以外にも流用される。
⑧公立施設の民営化、統廃合が促進をされる。
こうした問題点についての市の認識を問う。
市長は昨日、確実に民営化を進めていくと答弁した。指摘した問題点が実施前から既にあらわれている。日本共産党倉敷市議会議員団は、児童福祉法24条の市町村の保育実施義務を最大限追求しながら、真に子供本位の保育制度を実現するために全力を挙げる決意である。
▼保健福祉局長(黒江庄平) 新制度に関しては、関係の政省令や具体的な取り扱いを国において検討中であり、詳しい内容が示されるのを待って、適切に保育、教育が実施できるよう取り組んでまいりたい。
5.がん対策推進について
がん対策は、岡山県がん対策推進計画に基づき、がんによる死亡者数の減少を目的として、がんの予防、がんの早期発見を重点的に行っていると聞いているが、その取り組み状況は。
施策を総合的かつ計画的に進めていくためには、市の責務、保健・医療関係者の責務、市民の責務などを定めた条例を制定し、推進していくことが必要。岡山市では一昨年3月に条例を制定し、がん対策推進委員会の設置で、当事者の声を施策へ反映する仕組みをつくったことが大きな力になっていると報告されている。がん対策推進条例の制定に向けて取り組んでもらいたい。
▼保健福祉局参与(吉岡明彦) がんの予防については、がんに関する一般的な知識や、がんを防ぐための生活習慣などの普及啓発に取り組んでいる。がんの早期発見には、がん検診の受診が必要であり、これまでも健診受診券や倉敷健診ガイドなどで、がん検診の周知と受診率の向上に努めてきた。
がん対策推進条例についは、がん対策を総合的かつ計画的に推進していくためのものと理解している。今後、他市の状況並びに平成25年度からの新たな岡山県がん対策推進計画などを参考にしながら研究したい。
6.児島市民病院について
児島市民病院建設構想の検討が行われ、建てかえに向けて前進していることは、児島に住む者として大変うれしく思っており、児島地域の医療を担う中核病院として、市民の声がしっかり生かされた病院になることを心より願っている。3点、確認の意味を込めて質問する。
①建てかえ構想策定について
②地震、津波などに対する防災対策は。構想策定に当たっての市民の声を反映させる体制は。
③住民は建て替えを待たず、一日も早い産科の再開を求めている。その取り組みについての決意を求める。
▼市長(伊東香織) 病院の建設構想では、児島地域の中核病院としての役割を念頭に、児島市民病院の今後の目指すべき医療を検討している。緊急医療の体制強化、地域内外の病院との連携強化、一般急性期病院としての機能強化、がん患者の方の緩和ケア、リハビリテーションなど、高齢化社会に対応した必要な医療を提供できるようにと考えている。
地震、津波等に対する防災計画については、今後、被害想定や市町村ごとの細かな想定や津波の予測等の発表がある予定となっている。県の発表を踏まえ構想に反映をさせていきたい。
検討を進めるに当たり、児島市民病院改革プラン評価委員会など外部有識者、市議会、市民の方々の御意見をお伺いしながら建設構想の検討を進めていきたい。
産科の再開については、平成25年4月より常勤産婦人科医師1名を岡大医局から派遣してくれることになり、今後、常勤の複数の産婦人科医師及び麻酔科医師の招聘に向け、分娩の再開に向けて、引き続き努力していきたい。
七誌さま
確かに、答弁はそっけなさすぎます、情けないものです。
でも、諦めるわけにはいきません。
これまでも運動の力で切り開いてきました。頑張りますよ。
投稿情報: 末田正彦 | 2013年3 月23日 (土) 20:53
質疑と答弁をブログに書いてもらえると、好いですね。
答弁付きなのが取り分け好いです。
無精なのでわざわざ市議会のサイトにある議事録を読みに行くのが億劫でした。
-----
同じ懸案について質疑しなければならないのは、困っている人には辛い状況がいつまでも続くことです。
やらない・やれない・やり切れない件については理由を示し、今後の見込みや目標があるのならハッキリ示し、無いのならそう言うべきです。
素っ気無い肩透(かたす)かしみたいな誠意の無い答弁にはがっかりします。
投稿情報: 七誌 | 2013年3 月23日 (土) 15:04