倉敷市文教委員会(4/8開催)で(仮称)【倉敷市いじめ問題対策基本方針】(案)が発表されました。
「いじめ防止対策推進法」(昨年9月施行)を受けて、いじめ問題への対策推進のための基本方針の策定とあります。
わが党は、この法律の審議においては、①法律で子どもに命令し、義務を課す、②「道徳教育」の強化、③「厳罰化」、④被害者等の真相を「知る権利」があいまい、⑤家族への義務付けなどの問題点を指摘し、具体的な提案を行い反対いたしました。
今回の【倉敷市いじめ問題対策基本方針】(案)の議論をするにあたり、そうした点から若干の意見を述べたところです。
(1)「いじめ」は、いかなる形をとろうとも人権侵害であり暴力である、だから許されない。人権侵害と暴力性を明確にした「いじめ」の定義を行なうこと。
(2)「いじめの防止」の項
①第一に「道徳教育の充実」があげられているが、いじめ自殺が社会問題となった大津市立中学校の場合、市内唯一の国の道徳教育推進指定校であった。同市の第三者調査委員会は「道徳教育の限界」を指摘し、「むしろ学校現場で教員が一丸となった様々な創造的な実践こそが必要」と報告している。上から「道徳教育」を押し付ければ、「教員一丸の創造的な実践」が損なわれることを指摘。
②「児童生徒の人権意識、生命尊重の態度の育成」など「子どもの人権意識」を高める記述があり大切であるが、教職員・大人の人権意識、人権感覚を高める記述がない。追記すべき。
(3)「いじめへの早期発見」の項
①「構内の教育相談体制の活用」とあるが、相談の基本は「いつでも、どこでも、誰にでも」行なえることが必要。気軽に相談できる関係づくりとともに、すべての教職員が相談内容をきちんと受け止める力・感性を身につけることが必要。(中学校学習指導要領解説編「すべての教員が、何時でもどこでも行うもの」と記載されている。)
(4)「いじめへの対処」の項
「後回しにしない」「いのちを守り抜く」ことを基本に位置づけ、明記すべき。
(5)「重大事態への対処」の項
「調査結果の提供及び報告」では、被害を受けた児童生徒やその保護者に対しての説明は、被害者の真相を「知る権利」として明確にすべき。子どものプライバシーの保護を理由に制限をするべきではない。
前日に、(案)が配られ準備が十分には出来なかったのですが、以上の指摘を行ないました。今後も引き続き指摘並びに提案を行なっていこうと思います。
5月12日から4週間程度、パブリックコメントが実施されます。ぜひご意見を出してください。
【倉敷市いじめ問題対策基本方針】(案)をダウンロード(PDF544KB)
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