↑(仮称)児島市民交流センター建設予定地(遠くにみえる茶色の建物は児島市民病院)
(仮称)児島市民交流センター整備事業について
この事業は、児島文化センター、図書館、公民館、働く婦人の家、勤労青少年ホームの5つの公共施設を集約して、複合施設として建て替えるというものです。
私は、次の2点について、
1.業務の効率化を主たる理由に、利用目的の異なる5つの施設の集約化・複合化を図ること
2.この事業化をPFI手法で行おうと計画している点
には、問題があるのではないかと、質問をしました。
まず複合化の問題では、「何でもかんでも複合化、本当にそれでいいのか。各施設はそれぞれ異なった役割を持ち、地域に根ざして活動おり、現在の場所で運営してきたから、利用できた。また、そもそも利用目的が違うのだから、集めたら利便性が向上する、というのは短絡的ではないのか。先日行われた市民への説明会の中でも、「高齢者は自動車に乗れない、従来の地区の人は不便になるのではないか」という意見も出されていた。それぞれの施設を、利用目的に沿って、建て替えも含めて、それぞれ充実させていく。そのことこそ必要なことではないのか。」と質しました。
PFI 問題では、「PFIは、公の施設を、民間企業で構成する「特別目的会社」が資金を調達して建設し、引き続き「特別目的会社」が維持管理を行い、建設費、長期借入金利子、維持管理費などを、長期にわたって市がお金を支払い、利益を約束するという手法となっている。」と指摘し、次のように多くの問題点をかかえており、具体的な事例をあげて質問しました。
①事業主体が大企業グループになる可能性が非常に高く、地元企業が置き去りにされる恐れが十分考えられること。
②長期間にわたって、地域とは無縁の落札した「特別目的会社」に任されることによる地域経済に与える負の影響が大きいこと。
③公の施設は、住民にとって、高い費用を負担することなく、公平に利用できる権利が保障され、人権保障の上からも重要な意味があること。経済界の”儲けのチャンス”という角度での参入では、納税者である市民の人権や公共性を守ることができないのではないのか。
④性能発注方式で施設の安全が疎かになりはしないのか。
⑤業務の効率化の名の下に、そこで働く人たちの雇用条件は守られるのか。公の施設の労働で”ワーキングプア”を生みだしはしないのか。
②の点について例えば、現在、市立図書館では図書購入費ベースで、8,350万円93.8%を市内の本屋さんから調達しています。図書館の管理運営に大手図書流通グループが参入すると、これがどうなるのか。(児島図書館では1,150万円98.3%)
④の施設の安全という点では、仙台市「スポパーク松森」の屋内プール天井崩落事故に象徴的に表れました。水島エコワークスの度重なる事故もしかり。
⑤については、管理・運営に大手図書流通グループが参入している公立図書館では、よくて一年の契約社員、多くはパート労働など不安定な非正規雇用となっています。
問題有りです。しかも、事業の基本的なあり方についての比較検討さえ、コンサルタントに委託する(800万円)といった市当局の姿勢は全くなっていません。
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