倉敷市議会2月定例会が、18日に閉会しました。
代表質問で取り上げた問題を少しずつ紹介します。今回は、国政上の問題に関する市長の認識についてです。
Ⅰ.国政問題での市長の認識を問う
1.安倍政権の経済対策について
デフレ不況最大の原因は、働く人の所得が減り続けてきたこと。1997年を100として、現在企業の経常利益は163――1.63倍までに増加、しかし働く人の所得は逆に88に減少。
デフレ不況から抜け出すためには、働く人の所得を増やし、人間らしい暮らしを保障するルールづくりに踏み出すことが必要と考える。
①消費税増税、社会保障削減など、国民の所得を奪うあらゆる政策を中止させる。
②大企業、財界の身勝手な賃下げ、リストラに、政治の責任でストップをかける。
③労働者派遣法の抜本改正、最低賃金の引き上げ、大企業と中小企業が公正に取引できるルールをつくる。
安倍政権の「3本の矢」(①大胆な金融緩和、②公共事業の積み増し、③規制緩和や法人税減税で大企業を応援する成長戦略)は、過去の自民党政権が行い、破綻が証明済みのもの。危機突破どころか、逆に危機と矛盾を激化させる。市長の認識を問う。
▼市長(伊東香織) 本格的なデフレ脱却のためには、労働者の方の所得がふえることは重要な要素の一つと言われている。今月、安倍首相みずから経済3団体のトップに対して、業績が改善している企業について、賃上げの要請をされた。
政府の経済政策が追い風となり、国全体の景気が回復し、市内企業の業績の回復、労働者の方の所得の増加という、よい方向へ向かうことを期待したい。
※経済界に対する賃上げ要請は、我が党の志位委員長が国会で取り上げたもの
2.憲法9条について
安倍首相や日本維新の会などから、明文改憲や解釈改憲を狙う危険な動きが強まっている。とりわけ、日本維新の会、みんなの党が合同で、今国会にも憲法96条改定原案を提出する動きが出ている。
日本共産党倉敷市議会議員団は、憲法9条改憲の動きは許さない。
現在の改憲の動きについての市長の認識は。また、憲法9条について改めて認識を問う。
▼市長(伊東香織) 我が国は戦後、世界の恒久平和を願って制定をされた現憲法のもとに、復興と今日の繁栄を築いてきている。現行憲法については、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の基本原則にのっとり制定をされたもので、この平和への理念というものは国民の間に十分定着をしており、今後とも尊重されるべきものと考えている。
3.原発について
東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から間もなく2年。日本共産党は、被災者支援に取り組むとともに、「即時原発ゼロの実現を」の提案を発表し、再生可能エネルギーの最大限の普及と低エネルギー社会への取り組みを本格化させることを提案している。そして、全ての原発から直ちに撤退する政治決断を行い、即時原発ゼロを実現することを強く求めている。
安倍政権は、再稼働や新増設を否定しない姿勢を見せ、2月23日に行われた日米首脳会談の中でも、原発ゼロ見直し表明を行っている。
一方、国民の声は、直近の世論調査(朝日新聞19日付)で、日本の原子力発電の今後について、「やめる」と答えた人の合計は7割に達している。
安倍政権の姿勢に対する市長の見解は。また、国民の声に従い、国に対して原発からの撤退を求めるべきだと考える。市長の見解を問う。
▼市長(伊東香織) 原発を含めたエネルギー政策については、国民生活や経済活動にかかわる国の基幹政策であると認識しており、エネルギーに乏しい我が国においては、住民の安心・安全の確保を大前提とした電力の安定供給、環境保全、経済性の達成の方策を検討することは非常に重要であると考えている。今後も国のエネルギー政策を注視するとともに、地域特性に合った再生可能エネルギーの利用促進に努めたい。
4.TPP(環太平洋連携協定)について
TPP交渉参加は、例外なき関税撤廃と全ての非関税障壁の撤廃が要件とされ、食の安全・安心を初め、国民皆保険制度、政府調達、金融サービスなど、暮らしにかかわるあらゆる分野が脅かされる。日本共産党は、経済主権を投げ捨て、日本の産業と国民生活のあらゆる分野に深刻な打撃を与えるTPP参加には断固反対である。命と暮らしを守るべき地方自治体の長としての見解を問う。
▼文化産業局長(松原信一) TPP交渉参加については、自由貿易のメリットと国内産業の保護をどのように両立させるかという、難しい判断を求められているものと認識している。本市としては、地域経済全体への影響が考えられ、国民への十分な情報提供と、国として責任を持った議論がされることを望んでいる。
このように(議会の報告)、ブログを活用いただくのは、まことにありがたいです。
小さな集まりを数限りなくもつこと、が何よりだとは思いますが、それを補う意味で、計り知れない価値があると思います。
小さな集まりのよさは、何と言っても、「ていねいに説明できること」だと思います(質疑応答を含めて)。
そのような結果、みんながよく分かり、他人にもその分かる嬉しさを伝えることが出来るのだと思います。
時間の捻出が大変だとは思いますが、どうぞお続けいただきますよう、お願いします。
投稿情報: 白井浩子 | 2013年3 月21日 (木) 13:07
七誌さま
TPPについては、H23年2月議会での私への答弁で、藤井明文化産業局長が、「TPP参加による農業、雇用、地域経済等への影響についてでありますが、このうち農業に与える影響につきましては、農林水産省が昨年10月に公表した試算の条件を倉敷市に当てはめてみますと、農業産出額は米などを中心に約35億円、30%の減少となります。また、食料自給率、雇用、関連産業や地域経済へも大きな影響が及ぶものと懸念しております」と答えたものがあるぐらいです。真剣な推計はしていないようです。
投稿情報: 末田正彦 | 2013年3 月21日 (木) 08:11
> TPP(環太平洋連携協定)について
> ▼文化産業局長(松原信一)
これは倉敷市長が答弁しなかった(笑)
中国やインドが参加しないTPPは、倉敷市(長)がてこ入れしている三菱自動車にとっても、明るい結果をもたらすとは思えません。
倉敷市財政などへの影響調査・推計をしていないのでしょうか?
投稿情報: 七誌 | 2013年3 月21日 (木) 00:15