Ⅱ.倉敷市の懸案事項について市長の見解を問う
1.JR倉敷駅付近連続立体交差事業について
岡山県が、国の費用便益分析マニュアルに基づいた費用対効果の算定を行い、費用対効果(B/C)が0.85で、1を割り込んだことが1月15日に発表された。しかし、伊東市長はこの結果を真摯に受けとめることなく、「この算定数値は我々の感じる実態とかけ離れている」などと、主観的で根拠のないことを言い、さらに、道路交通以外の便益も考慮すべきと、マニュアルに基づかない独自の算定を求めることなど論外である。
この算定結果について、岡山県議会予算総括協議会質疑(2月7日開催)、自民党太田議員の質問に対し知事は、「地域経済、観光面やまちづくりなどの効果については、貨幣換算する際の精度や二重計上のおそれなどの課題がある」として、「今回の算定結果は妥当なもの」と答弁。さらに、土木部長は再質問に対し、「精度に問題がある項目を追加することは、事業の必要性を説明する上で弱点になりかねない。便益の正当性をしっかり説明することができなくなると、他の公共事業への影響も多大なことになる」と述べ、「再算定の必要性を感じていない」と答弁。
費用対効果が得られない事業を進めることは、財政規律を犯すことになり、自治体の自殺行為であり、費用対効果が得られない事業は、実施すべきではない。中止を求める。
▼建設局長(受川良美) 連続立体交差事業は、中四国有数の広域的な商業・観光拠点である倉敷駅周辺中心市街地の活性化や都市防災の観点からも、まちづくりにとって必要不可欠な事業。倉敷駅周辺地区では、駅北に複合型商業施設が開業し、年間1,300万人を超える方々が訪れ、通行量も前年と比較して1.5倍以上となっている。この状況の中、B/Cが前回と比べて約半分に下がっているということは、実態とかけ離れていると思っており、道路交通以外の便益も考慮すべきと、県へ意見を申し上げている。
今後、国、県、市、JR等との関係者で、コスト縮減も含めて十分検討した上で事業を推進していただけるように、県と協力していきたい。
(※便益算定の前提は、事業供用後50年間の便益を貨幣換算したもので行なう ことになっている)
2.コンビナート企業に対する倉敷市の対応について
JX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故、ばいじん偽装、ガスタンク補修虚偽報告などに見られるコスト削減、安全軽視の企業運営が近年目につく。市は、近隣住民の安全、そこで働く労働者の安全を確保する責任があるが、こうした問題に対する認識と、企業に対する対応を問う。
▼文化産業局長(松原信一) 今年度水島コンビナートでは、10件の事故に加え、不適正事案も発生しており、こうした事態を大変憂慮し、遺憾に思っている。市民の安心・安全を最優先に再発防止対策を徹底し、コンプライアンス意識を高め、二度とこうしたことが起こらないよう関係企業に強く求めている。また、関係部局から必要に応じて立入検査等を行い、原因究明やそれに基づく再発防止策を指示している。
昨年8月20日には、水島コンビナート地区の事業所における事故防止の徹底を図るため、国や県とともに水島コンビナート地区事故防止対策会議を開催し、また10月10日には水島コンビナート企業に対して、市民の安心・安全の確保やコンプライアンス意識の徹底について強く要請した。
> また、関係部局から必要に応じて立入検査等を行い、原因究明やそれに基づく再発防止策を指示している。
それでも、↓なのが問題です。
> 今年度水島コンビナートでは、10件の事故に加え、不適正事案も発生しており、
> また10月10日には水島コンビナート企業に対して、市民の安心・安全の確保やコンプライアンス意識の徹底について強く要請した。
「コンプライアンス意識」とは、経営者のものなのか、従業員のものなのか。
経営者がやる気にならなければ現場ができることは限られるでしょう。
申し入れは誰宛にしているのでしょうか。
投稿情報: 七誌 | 2013年3 月22日 (金) 07:43
事故で労働者が死亡することは、大変重いことだと思います。
あの、冷たい水の中で亡くなったことを思うと、無念を共有します。
事故を起こした企業が労働者を大事にしているとは思えませんね。
倉敷市の対応もぬるいと思います。
税金を高額にするなど、重大なペナルティを与え、それを受け入れられないなら倉敷からの撤退を余儀なくさせる、というほどの決意が必要だと思います。
投稿情報: 白井浩子 | 2013年3 月22日 (金) 00:02