Ⅲ.命と暮らしを守るために(その1)
1.生活保護制度について
この基準の引き下げは、年金や最低賃金、住民税非課税限度額の引き下げにつながり、就学援助、医療・介護の保険料の減免制度など、影響は少なくとも40近くに及び、負担増あるいは制度から締め出され利用できなくなる人が続発することは明らか。
生活保護基準の引き下げ、他の制度に対する影響について見解を問う。
▼保健福祉局長(黒江庄平) 生活保護基準の見直しについては、平成20年度以降のデフレによる物価下落分を反映するとともに、年齢、世帯人員、地域差が考慮されたものと考えている。また、生活保護基準の見直しに伴い影響が懸念される就学援助、住民税、国民健康保険料等の軽減措置などの制度については、現在国の各省庁において、できる限り影響が及ばないよう対策を検討している。
2.介護保険について
①生活援助の時間短縮について
中央社会保障推進協議会が昨年12月に発表した調査結果から、どのようなサービスが削られたかの問い(複数回答)に、コミュニケーション・会話が70%、掃除46%、調理23%、買い物21%、洗濯14%。利用者への影響は、情緒不安定21%、ホームヘルパーとの信頼関係の悪化15%、状態悪化8%など、重度化につながる内容の結果が明らかになった。
高齢者が安心して地域で暮らせるよう、時間短縮は一日も早く撤回し、改定前に戻すことが必要と考える。市は時間短縮が利用者、事業者へ及ぼす影響についてどう把握しているのか。また、問題ありとは認識していないのか。国に対して、もとに戻すよう働きかけるつもりはないのか。
▼保健福祉局参与(森脇正行) 平成24年4月の報酬改定により、訪問介護の生活援助の時間区分が60分以上から45分以上に見直された。この見直し前後の3月、4月には利用者や事業者から、一律45分に短縮されるのかとの問い合わせが数件あったが、見直し後も適切なケアプランの作成により、従来どおりのサービスを受けることは可能である旨回答した。
本市では、実地指導や窓口での相談業務を通じて、訪問介護事業所だけでなく、ケアプランの作成を担当する居宅介護支援事業所に対しても、生活援助を一律に45分に切りかえることのないよう、適切なケアマネジメントに努めるよう助言、指導を行っている。今後も、必要な方に適切なサービス提供が行われるよう指導を行うとともに、介護保険現場の声を聞きながら、国が行う介護報酬改定の効果検証や実態調査等の動向にも注視してまいりたい。
②特別養護老人ホームの入所待機者問題について
昨年10月現在、待機者は3,118人と聞いている。施設整備は待ったなしの課題だが、現状はどうなのか。また、スピード感を持った待機者対策を求める。
▼保健福祉局参与(森脇正行) 特別養護老人ホームの待機者について、平成24年10月末現在、市内の特別養護老人ホームは23施設、総定員は1,699人。入所希望の高齢者は、現在集計中で、病院、老人保健施設、グループホームなどに入所し待機している人を含め、約3,500人となる見込み。
待機者対策としては、3年ごとに見直しながら策定される介護保険事業計画に沿って、特別養護老人ホームなどの介護施設やグループホームを初めとした地域密着型サービス事業所などの整備を計画的に進めている。また、介護予防の推進に取り組んでいくことで、将来的な入所待機者の解消に努めていきたい。
3.子ども医療費について
現在、県内27市町村中、通院は、倉敷市を含む6市を除き21市町村が中学校卒業まで無料に、入院では、小学校6年生までというのは倉敷市だけとなった。早島町では、この4月から通院が中学校卒業まで無料になることが決まったと聞いている。
中学校卒業までの医療費の無料化に必要なお金は、約4億5,000万円。市長は、昨年6月議会で鉄道高架事業費について、仮に工事期間が10年とした場合、1年当たりの市の負担額は約12億円程度と答えた。鉄道高架事業を行おうとするほどの財政力があるのならば、直ちに実施に移せるのでないか。中学校卒業までの医療費の無料化を求める。
▼保健福祉局参与(森脇正行) 中学校3年生までの医療費無料化については、多額の財政負担が大きな課題であると認識している。子ども医療費の公費負担の拡大については、国の保健・医療行政などの動向を踏まえ検討してまいりたい。
福祉は地方自治の根幹であって、「経費にゆとりがあるなら取り組む」というのは誤りですね。
福祉関係の事案をこそ、優先して取り組むべきことです。
同様に、「将来的に改善を進めていく」というのも、市の言いぬけ、ですね。
「今直ちに最大限取り組む」べきではありませんか。
いつも、松本清張のことばを思い出します。
人々に向かって、「もっと欲張りになって
(権利を主張して!)」と呼びかけたのですね、彼は。
投稿情報: 白井浩子 | 2013年3 月23日 (土) 11:24