まず、3日間のボランティアの内容です。
1日目は陸前高田市米崎地区の田んぼのガレキ除去です。人の手で運べるものを、重機が近寄れる道路脇まで運ぶ作業です。瓦、建物からちぎれた壁、食器、漁具など数え上げたらきりがありません。また、写真、財布、病院の診察券、お札などが出てきます。これは、別にとっておきます。
2,3日目は大槌町小槌地区の家屋の泥だし作業に向かいました。家屋の倒壊をまぬがれたお宅ですが、1階の鴨居まで津波が押し寄せたということですから、その激しさは大変なものです。戸、窓が破られ流れ込んできた多くのガレキで家の中が埋めつくされたそうです。
私たちが伺ったときには、家の中のガレキ除去は終わっていて、私たちの作業は、庭に積もった粘土質の土の除去でした。乾燥してカチカチの土をはぎ取り、土嚢に詰めて搬出するのです。
以上が大まかな作業の内容です。
ところで、「被災者によりそう」「心によりそう」とは、何だろう、考えさせられることがありました。。
それは、大槌町小槌地区K邸の泥だし作業でのことです。
K邸の庭は、被災前、砕石が敷き詰められていたようなんです。その砕石の隙間、またその上に粘土質の土が積もっています。鍬をふるい、剣スコップで突き、砕きながら土嚢に詰める作業です。ボランティアはみんな一生懸命です。しかし、その懸命さが大事なことを見失わせることもあるのです。
ふと手を止めて、近くで作業されていたK邸のご主人の手元を見ると、少しずつ土砂をスコップの上に集め、泥だけ残し、一粒ずつ砕石を手にとって庭に戻しているのです。「あっ」と息をのみました。庭に敷いた砕石は、ご主人の大事な財産だったのです。
ボランティアとしての大事なこと、「個々の被災者の様々な思いを大切にすること」を教えられた一瞬でした。ボランティアは急がなくてもいいんです。
翌日はボランティアセンターの方で「ふるい」が用意されていました。素早い対応に感心しました。それを持って、朝、ご主人に逢うと、「今日はふるいを持ってきたんだね」と言って、にっこりされました。
小さなことかもしれませんが、心が通じ合えたのかなと感じられる瞬間でした。
最近のコメント